一戸建てリフォームと間取り

一戸建てでは、新築時の家族構成が変わったり、介護の必要性が生じたりして、間取りの変更を伴うリフォームが必要となる場合があります。
注文住宅でも、在来工法で建てられた住宅は間取りの変更がしやすく、2×4工法の住宅は壁の変更ができないので、間取りの変更もできにくくなります。軽量鉄骨造は間仕切壁の増設等はしやすく、鉄筋コンクリート造の住宅は、柱と耐震壁を動かさなければ間取りの変更が可能です。間取りの変更では、間仕切壁の増設は比較的簡単ですが、既存の壁を撤去する場合は簡単ではありません。木造在来工法でも、筋違いの入った壁の変更は難しく、それ以外の壁であれば変更が可能です。
間取りの変更は、床面積が変わらない場合と、床面積が変更になる場合とでは大きく異なります。床面積の変更を伴わない場合は、採光のための面積や換気面積などを建築基準法に適合させればよく、建築確認申請が必要ではない場合がほとんどです。それに対して床面積が増える増築の場合は、建築確認申請が必要となります。この場合、既存部分に関して、その後に改正された建築基準法に適合していない部分がある場合は、増築工事といっしょに既存部分の改修も必要となります。
建築基準法は1981年の新耐震設計基準の新設から、2,000年までの間に接続金物等の改正が相次ぎ、2,000年以前に建てられた建物は、現在の建築基準法に適合していない、既存不適格建築物である可能性が高くなります。増築部分の工事費は、現在の相場で予想が付きますが、既存部分の改修は、思いの他、予算がかかってしまいます。対策としては増築部分を別棟として既存部分と離すことです。敷地に余裕がないとできませんが。最も経済的な方法です。平屋部分に2階をあげる方法は、現在の建築基準法ではハードルが高くなるので薦められません。間取りの変更が必要となる理由の一つに介護問題があります。
新築時点では家族が健康だったにしても、やがて高齢となり介護が必要となる場合もやってきます。介護に適した部屋は、1階の南に面した離れの部屋です。廊下等を隔てれば理想的ですが、壁一枚でも間にあれば、介護室として使うことができます。介護が必要な度合いは要介護度によって異なりますが、要介護者が自力でトイレに行けるかどうかで、家族の負担は大きく異なります。ポータブル便器の設置も考えられますが、清潔を保つためにも介護室から直接行けるトイレがあると便利です。高齢化社会を迎えた現代では、介護問題はリフォームのテーマでもあります。