二世帯住宅と断熱

注文住宅を新築で建て、二世帯で入居すると言う人は多いかと思われます。二世帯住宅には、年齢が異なる世帯が共に生活をすることで、文化の交流やコミュニケーションをはかることができるなどのメリットがあります。
ただし、入居前に様々な点に考慮して、取れる工夫をとっておかないと、入居後に思わぬトラブルが発生してしまう可能性もあります。二世帯住宅で気をつけたいことのひとつが、断熱です。1階は子供夫婦と孫、そして2階はその親世帯が入居すると決めていたとします。しかし夏場や冬場など、温度が極端な季節においては階によって室温も大きく変わってきます。その結果、入居する部屋の階数を変更して欲しいと言うこともありうることなので、注意が必要です。
また二世帯住宅は、単独世帯に比べると住人の人数が多い、そして親世代が入居する場合には、日中も自宅にいることが多いと想定できます。そうすると、断熱に気を使っておかないと光熱費が高くついてしまうことも考えられます。このような理由から、断熱に対しての配慮が求められます。では、どのような工夫をとるのが望ましいのかに関してです。
まず、基本的には普通の住宅に採用されている断熱工法は取り入れておくべきだと言うことができます。いわばこれは必要最低限の断熱だからです。その上で夏場の暑さ対策です。これは特に、太陽に近くなる上層階には欠かせない対策です。上層階の天井が、建物の屋根とイコールになっている場合には、天井にあたる太陽の光、熱がそのまま屋根に伝わり、そして上層階の部屋の室温を上昇させることが考えられます。ですからこの場合には、その熱を少しでも遮るために屋根部分、天井部分の断熱を手厚く行っておくことが求められます。暖気は下から上に上がる性質を持っています。
よって冬場の寒さについては、1階が暖かければその空気が自然と2階に上がることが期待できます。そう考えると、2階の床に断熱材を採用することに対しては慎重さを求めるのが望ましいです。ただ暑さ、寒さに関しては個人差が非常に大きいのが現実です。そして二世帯住宅の場合、年齢を重ねた人が入居している場合には、加齢による神経機能の低下などにより、暑さや寒さに対して感覚が鈍っている場合も少なくはありません。ですから、断熱を採用すれば良いと言う考えでは、いざ、生活を始めてみたら快適な温度ではないと言うことにもなりかねないので、本人の意見を聞くことが求められます。